シグネットリングの歴史
シグネットリングの歴史
シグネット(印章)のリング。
シグネットリングは、宝飾品の中でも5000年という最も古い歴史を持ちます。
「 左小指にはめるシグネットリングは、結婚指輪さえしない英国紳士が唯一しても 許されたジュエリー 」
と言われてるほどです。
また、地位の高い女性にとってもシグネットリングはサインのような強力なツールでした。
19世紀から20世紀にかけて、シグネットリングは幅広い女性に愛用されるようになり、 特にヨーロッパの上流階級やアメリカの富裕層の女性たちは、 シグネットリングを個人のステータスや紋章として身に着けました。
元々は、ヨーロッパの貴族が、家紋や所属するクラブの紋章をリング上部に 刻印した事が始まりとされています。
最初は手紙などにサイン代わりとしてシグネットリングは使われていましたが、14世紀に入ると「全ての公文書にはシグネットリングで印を押さなければならない」という正式な法律がエドワード2世によって作られるほどでした。
そこからシグネットリングは署名に先立つ身分証明の印章となり、手紙や法的文書に署名するために使用されていました。
シグネットリングをはめる権利は特権階級だけに与えられていた事から、富裕であることの証明とも言われていたのです。
英国紳士達は
「 実用性ある宝飾品以外は決して身につけない。」
という ”あえて着飾らない気品の高さ”とノブレスオブリージュを大事にしていたのです。
その想いと歴史は、シグネットリングを通して貴族間の親から子へと、先祖代々引き継がれてきました。 ですから、シグネットリングの引き継ぎは、単なる装飾品の受け渡し以上の意味を持っていたのです。
それは家族の絆や愛情、歴史の継承の象徴となり、家族のつながりを強める大切な行為でした。「シグネットリング」 その上品さと歴史は、現代ファッションにおいても 格を上げてくれる一品として、男女問わず多くの人の心を掴んでいます。
現代においては、様々な指輪を経験した方ほど最終的にはシグネットリングに辿り着くと言われています。